何に対する加算なのか
名前が「欠席時対応」なので、欠席の事実に対する加算だと受け取られがちですが、 加算の対象になっているのは欠席の連絡を受けたあとに事業所が行った対応のほうです。
利用予定日に急に休むという連絡が入ったとき、事業所は本人や家族と話をして、 体調や状況を確認し、必要な助言をして、次にいつ来られそうかを確かめます。 この一連のやりとりが相談援助にあたり、その内容を記録したときに算定できます。
つまり、欠席が10件あっても、相談援助と記録がなければ算定できる件数はゼロです。 逆にここを押さえていれば、日常的に発生している対応がそのまま算定につながります。
算定できる欠席と、できない欠席
まず押さえておきたいのが、すべての欠席が対象になるわけではないという点です。 対象になるのは急病等により、あらかじめ予定していた利用を中止した場合です。
判断に迷いやすい例を並べておきます。
- 対象になりやすい … 当日の朝に発熱した、前日の夜から体調を崩した、 急な家庭の事情で来られなくなった
- 対象にならない … 毎月第3水曜は定期通院で休むと決まっている、 旅行や冠婚葬祭で前もって休むと分かっていた、事業所側の都合で休みにした日
「あらかじめ決まっていた欠席は対象外」という線引きは、この加算の趣旨から考えると理解しやすくなります。 予定されていた欠席には、急に対応を求められる相談援助が発生しないからです。
連絡のタイミングにも要件がある
見落とされやすいのがここです。欠席の連絡が利用予定日の前々日・前日・当日にあったこと、 という要件があります。3日以上前に連絡があったケースは対象になりません。
先ほどの「あらかじめ決まっていた通院日は対象外」も、実質的にはこの日数要件から導かれます。 1か月前から分かっている通院で当日に連絡が入ることは通常ないためです。
なお、この前々日・前日・当日を営業日で数えるのか暦日で数えるのかは、 解説によって説明が分かれます。土日を挟む欠席が多い事業所では、 あらかじめ自治体の担当窓口に確認しておくと安全です。
連絡を受けるところから始まる
この加算は、利用者や家族から欠席の連絡を受けたところが起点になります。 電話でもメールでも構いませんが、誰から、いつ、どういう内容の連絡があったのかが 記録として残っている必要があります。
無断欠席に気づいて事業所側から連絡した場合の扱いについては、 解釈が分かれる可能性があるため、算定を前提とせず自治体に確認することをおすすめします。 運用としては、欠席の連絡を受けた場面を確実に拾うほうが、あとで判断に迷いません。
相談援助として何をするか
「お大事にどうぞ」で電話を切ってしまうと、相談援助を行ったとは言えません。 運営指導では、この点がもっとも多く指摘されています。 最低限、次の3つは会話に入れておきます。
- 状況の確認 … 体調はどうか、いつからか、受診はしたか
- 助言 … 無理をせず休む、受診を勧める、服薬を確認するなど、状況に応じた声かけ
- 次回の確認 … 次はいつ来られそうか。決まらない場合は、いつ改めて連絡するか
この3つは、加算のために付け足す会話ではありません。 欠席の連絡を受けたときに現場が自然にやっていることです。 問題は、やっているのに記録に残っていないために算定できていないケースが多いことです。
記録に残す項目
記録は支援記録として残します。「欠席」のひと言や、日付と氏名だけでは要件を満たしません。 次の項目がそろっていれば、運営指導で説明に困ることはまずありません。
- 連絡を受けた日時
- 連絡してきた人(本人か、家族か)
- 連絡を受けた職員の氏名
- 欠席の理由
- 聞き取った利用者の状況
- 行った助言の内容
- 次回の利用予定(未定なら、その旨と次の連絡方法)
このうち抜けやすいのが「行った助言の内容」と「次回の利用予定」です。 前者は書き手にとっては当たり前すぎて省略され、後者は電話の最後に確認したまま 記録に落とされないまま終わります。
月4回の上限
算定は1人につき1月4回が限度です。 月に5回以上の欠席があり、そのすべてで相談援助を行っていても、請求できるのは4回分までです。 また、1回の相談援助で複数回を算定することもできません。
上限があるということは、欠席が多い利用者ほど、どの4回で算定するかを選ぶ場面が出てきます。 相談援助の内容が濃い回を選べるよう、上限に達していない段階から記録の質は揃えておくほうが結果的に楽です。
算定漏れが起きる3つの場面
現場で聞く算定漏れは、だいたい次のどれかです。いずれも加算の知識ではなく、記録の流れの問題です。
- 電話を受けた職員と記録を書く職員が違う。 朝の受電は手が空いている人が取るため、そのまま口頭で共有されて消えます
- 受電が朝の最も忙しい時間に集中する。 送迎や朝礼と重なり、メモが残らないまま1日が終わります
- 記録画面で「欠席」だけ入力して閉じる。 欠席の事実は残りますが、相談援助の内容が残らないため算定できません
受けたその場で書く運用にする
対策はひとつで、電話を切った直後に受けた本人が書く、という形にすることです。 あとでまとめて書く運用にすると、内容が薄くなるか、そもそも書かれません。
書く負担を下げるには、よく使う文言を用意しておくのが有効です。 「発熱のため欠席の連絡あり。検温の結果と受診予定を確認。無理せず休養するよう伝え、 次回◯日に来所予定を確認」といった型を数パターン持っておけば、 変わる部分だけを埋めれば済みます。
Welsys Plus には、欠席対応で使う定型文をあらかじめ登録しておく機能があります。 受電した職員がその場で選んで必要な箇所だけ書き足せるため、 職員によって記録の粒度が変わることを防げます。 日々の記録では欠席と欠席時対応加算を分けて持つので、 「休んだ日」と「相談援助を行って算定する日」を取り違えずに集計できます。
加算そのものは難しくありません。難しいのは、忙しい時間に受けた電話の中身を、 その日のうちに文章にして残すことのほうです。 ここを仕組みで支えられるかどうかで、同じ対応をしていても算定できる件数は変わります。
この記事の内容について
本記事は制度の一般的な取り扱いをまとめたものです。 報酬改定によって要件や単位数は変わります。 また、連絡のタイミングの数え方など、細部の解釈は自治体によって異なる場合があります。 実際の算定にあたっては、最新の告示・通知と、指定を受けている自治体の見解をご確認ください。